SLIPER・スキルラダー

達人養護教諭への道スキルラダー

教えて達人 - ネットde事例検討

2019年1月

[6] 2019/02/08 13:19
40歳代
静岡
養護教諭
【SLIPERより】
 近隣の養護教諭に尋ねたところ、固形石けん派、泡石けん派、液体石けん(シャボネット・蛇口に取り付けタイプ)派、併用派(固形・泡・液体)があるようです。
 【液体石けんが望ましい理由】
 学校において予防すべき感染症の解説1)では、石鹸は液体石鹸が望ましい。なお、容器の中身を詰め替える際は、残った石鹸は捨て、容器をよく洗い、乾燥させてから、新たな石鹸を詰めるようにすると記載されています。
 児童生徒用手洗い設備及び石鹸等の微生物汚染状況調査2)では、液体石鹸の容器上部・下部は、微生物汚染が低かったことから、手洗い石鹸として網を使用する固形石鹸より、液体石鹸の方が衛生的な取り扱いが容易と考えられた。固形石鹸を入れる網は、材質の種類を問わず、菌数が高く、微生物伝播の要因となる可能性が高いことからその使用は極力避けるべきであると記載されています。
 これを鑑みると固形石けんの表面や、固形石けんを入れる網からは多くの菌が検出され、固形石けんの扱いには十分気をつけなければならないことがわかります。石けんは、液体の方が望ましく、液体の中でも泡か、液体のどちらがいいのかは先述の文部科学省や汚染状況調査からは判断できません。
 【泡か、液体か?】
 液体のうち、泡か液体かについては、先述の記載にもあるように言及されていません。学校の実情にも照らし合わせてみてはいかがでしょうか。
 【泡石けんのメリット】
 手を洗うためには、石鹸を泡立て使う1)とされていますので、最初から泡の出る泡石けんは、手洗い用の水道の数が少ない学校にとっては、手洗いの時間短縮になる。
 【液体石けんのメリット】
 洗面台にすでに設置されている液体石けん用の器具を使える。
 (洗面台の形式によっては泡石けんの容器を置くことができない学校もあります。)
 【予算の確保】
 後は予算の確保です。学校で導入を議論する場合、予算も大きな問題になります。これを買って欲しいと予算担当者に言って、「無い袖は振れない」と言われることはよくあることです。今まで通りが一番楽でしょうが、衛生管理の観点から考え、根拠を示して、提案しましょう。その際には、メリット、デメリットを示します。本当に、固形石けんの方が安いのか(固形石けん用網の交換代を入れると高いのでは?)、液体石けんを導入するといくらかかるのか、(初期のコストと毎年継続するコスト)を提示し、交渉しましょう。
 【マンネリの打破】
 衛生管理の観点が一番大事ですが、子どもの使いやすさ、コスト、管理の手間なども考慮して判断し、石けん変更の目的、根拠を示して、予算やマンネリを打破していきましょう。
 1)学校において予防すべき感染症の解説(令和5年度改訂)文部科学省
 https://www.gakkohoken.jp/book/ebook/ebook_R050080/index_h5.html#12 P10(2025.3.30)
 
 2)児童生徒用手洗い設備及び石鹸等の微生物汚染状況調査(平成21年度学校における食の安全に関する実態調査報告書)学校のトイレ研究会HP
https://www.school-toilet.jp/toiletpoint/infection.php(2025.3.30)
[5] 2019/01/31 18:46
30歳代
東京
養護教諭
うちの学校では、TVで人気芸能人がCMしている「泡のハンドソープ」と、昔ながらのネットに入った「固形石鹸」の両方を置いています。
 泡のハンドソープを設置した時点で、固形石鹸を撤去しなかったのには理由があります。

 うちの学校は部活動が盛んです。運動部が、汚れてしまったユニホームなどを洗っ(洗濯するという意味ではなく、応急処置的にさっと洗う)たり、グラウンドに置いたため泥で汚れた道具の底をマネージャーが洗ったりするのに、固形石鹸が使われるからです。また、美術部や書道部も、パフォーマンスをしながら大きな作品を描いたりするので、下に敷いたシートや雑巾、専用道具は固形石鹸を使って洗ってもらっています。

 今どきの子は、幼い時から泡のハンドソープで手を洗うことが当たり前になっているので、泡のハンドソープを学校で用意することは自然のことなのかもしれません。なので、私も生徒には、感染予防に泡のハンドソープでの手洗いの励行を指導しています。しかし、全部を泡のハンドソープにしてしまうと予算が足りませんので、固形石鹸も撤去せずに、すみ分けをしています。もちろん、泥や絵の具、墨の汚れを落とすわけなので、ネットは確実に汚れます。定期的に交換しています。

 相談者さん、管理職と事務職員を上手に説得し、まずは数か所に泡のハンドソープを置いてみて、子供の反応を観察してみませんか?きっと、泡立てやすいので、ハンドソープの利用も増え、液体の減りも目に見えて早いと思います。そこを、根拠として、子供の需要があるため設置個所を増設するよう、観察結果から意見する方法にしてみてはいかがでしょうか。
[4] 2019/01/29 05:58
60歳代以上
海外
元養護教諭
私は、1~3の投稿のように、「泡石鹸がよい、その理由は現代生活の実態にあっている、手早く洗えて使いやすい、洗面台がよごれにくい他、、、」に同意します。予算案の提出書類には、養護教諭として学校保健の科学的観点からの理由を打ち出していくよう工夫したいものです。

関連して、なぜ手洗いをするのかを考えますと、汚れを落とし、雑菌やウイルスから身を守るということでしょう。もろもろの実験調査によると、効果的な手洗いをするには石鹸類を使用して流水ですすぐ、時間は最低1~2分が必要、3分以上が望ましいと言う資料も多いです。しかし、これは食品取扱い施設または公共トイレには必要でしょうが、学校現場でどこまでするか、検討課題だと思います。

私の住むアメリカでは、学校現場で昼食前に手洗いすることはほとんどありません。大人社会でも同じです。家庭でのトイレ後も洗わない人が多い。しかし、学校や公共施設でのトイレ後は手洗いをしている。その手洗い所の環境は見習うべき点が多い。水道蛇口に手をかざすだけで適量の水が出てくる。その横にハンドソープが必ず付いている。手洗い後は設置されたペーパーを使用、手をかざすと出てくるものもある。アメリカ人の多くの人はハンカチを持っていないし、知らない人もいる。

手洗いを励行している日本の学校現場で、毎年インフルエンザが蔓延するのはなぜでしょう。
[3] 2019/01/22 22:14
30歳代
沖縄
養護教諭
私学中高の養護教諭をしています。
個人的には泡石鹸、液体石鹸、固形石鹸、それぞれを上手く使えるようになってほしいという願いを持ってはいますが、、、本来の手洗いの大切な核は、感染症予防のスキルを身につけることとともに、自己の体を大切にしたいと思える肯定的な価値観の育成だと思っています。

なので、優先順位から考えると、必ずしも固形石鹸である必要はなく、衛生面最優先、次に交換の労力、最後にバリエーション(固形石鹸も泡だてられるように)かなと。
経済的な理由がどの順番で来るのかは、校種や自治体の予算配分の比重によるのかと思われます。

固形石鹸がゴキブリの餌になるならば
最優先とされる衛生面で問題があるでしょうし、それでも固形石鹸とするならば、学校薬剤師から助言をいただき、衛生的に差し支えなく固形石鹸を使用するための方法とそのための必要備品の見積もり請求が求められるところかと思います。

現任校では固形石鹸でしたが、ゴキブリの餌になるという衝撃的なご意見から、早急に検討が必要だなと思っている次第です。。

衛生的な手洗いの手技とともに、「手を洗って、気持ちがいいね」、という感覚からの自分の体を大切にしたいという価値観の育成を第一に、それにフィットする経済的で労力のかからない方法、、、検討していきたいです。
必ずしも固形石鹸である必要はないですね。
[2] 2019/01/18 15:29
20歳代
愛知
養護教諭
 幼保連携型認定こども園に勤務して2年目になります。私の園では、着任した時から泡石けんでした。特に疑問に思うこともなく使っていましたが、この事例を見て、勤続年数が長い先生にいつから泡石けんを使っているのか尋ねてみました。「昔は固形石けんを使っていたけれど、幼い子どもたちが石けんを泡立てて手を洗うのは非常に難しかった。特に乳児は、ネットまで手が届かない子もいて、保育士が石けんを泡立てて子ども一人ひとりの手を洗っていたから大変だった。どういう経緯で泡石けんが導入されたかは分からないけれど、そういう声が多々あったのは確か」という答えでした。また、自分が小学生の頃を振り返ると、固形石けんでしたがネットも黒ずんでいて石けんが溶けていることもあり、これで手を洗うの…?と子どもながらに思った記憶があります。
 家庭でも泡石けんを使っている所がほとんどだと思うので、幼い子どもたちでも手を洗うことができます。ただ、週2回、手洗い場の泡石けんが無くなる前に養護教諭が補充しているのですが、衛生面ではどうなのかと考えています。石けんが無くなったらボトルを洗って乾燥させて使う、のが良いのでしょうが、予算や手間等の問題を考えると難しいのが現状です。継ぎ足しはダメと分かっているのですが…
[1] 2019/01/14 20:47
40歳代
静岡
養護教諭
私は養護教諭になって20年目です。今の学校に着任して3年目ですが、着任時から、泡石けんでした。前任の学校は固形石けんを使っていました。確かに、網のネットが黒ずんでいたり、石けんが溶けて柔かくなっていることはありました。そんなものかと思っていてあまり疑問に感じていませんでした。現在の学校は、泡石けんです。いつから泡石けんなのかわかりませんが、固形石けんと比べて困ることは何もありません。子どもたちは自宅で、固形石けんを使う機会はほとんどないようです。ですので、泡石けんの方が子どもの実態に合っているように思います。また石鹸はゴキブリの餌になるということも聞きました。そういった点からも、泡石鹸の方が良いのではないかと思います。

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