教えて達人 - ネットde事例検討
2020年8月
[5] | 2020/09/09 11:53 |
---|---|
40歳代 静岡 養護教諭 |
【SLIPERより】 ヤングケアラーとは、「家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子ども」のことです。1) 「声かけを続けるべきか…」「家庭の問題にどこまで踏み込んで良いものか…」とあなたが苦慮していることが分かります。まずは、クラス担任や教科担任、または部活動顧問などにも生徒の様子を聞いてみましょう。学習や部活で必要な物品が購入できなかったり、お弁当が用意できなかったりとあなたの心配と同じ様な事柄があがってくるかもしれません。そして「よくできた子」の影には子どもらしさを消してしまうほどの大変な苦労があったと思います。 でも、「大丈夫です」は決して嘘ではないことも多く、ヤングケアラーの生徒は、幼い頃からそれが日常なので、そういうものだと思って育ち、生徒自身が気づいていないこともあるからです。または、周りに知られるのが恥ずかしいと隠して我慢している可能性もあります。 したがって、頑なに「大丈夫です」と言われても、焦らず、声かけは続けましょう。高校生ともなると将来の進路が気になりはじめ、自分自身の学業と生活・親のケアの両立が段々と難しくなってくるでしょう。いつかあなたに、母親の大変な病状や経済的困窮で家庭生活が機能できないことなどを吐露するかもしれません。その時は、保健室で相談しやすい環境を保ち、これまで家族のケアしてきたことを認め、その上で、助けを求めても良いことを示しましょう。内容によっては、児童相談所または子ども家庭支援センターに学校が連絡する必要もあるでしょう。学校にスクールソーシャルワーカーが居れば、ソーシャルワーカーに、いなかったらスクールカウンセラーにも相談してみましょう。適切な相談場所を教えてくれるなど、手助けの糸口を提供してくれるかもしれません。 あなたが生徒に寄り添い、話を聞いていくうちに、生徒は自分自身の状況を少しずつ認識し、整理することで、何に困っているのか、どうしたいのか、見えてくるでしょう。そうしたら生徒の求めに応じて、上記の公的相談機関やNPO法人などを紹介しましょう。 「一般社団法人 日本ケアラー連盟ヤングケアラープロジェクト」1)では、ピアサポートグループやイベントの紹介をしています。当事者の集いなどがあることを教えることによって、社会的サポート資源に繋がる機会にもなり、それが生徒の精神的支えとなるかもしれません。 そのためには、まずはあなたが養護教諭として、ヤングケアラーの存在やそのサポートグループの存在を知ることです。もし、「学習や部活動の道具が買えない」「お弁当が準備できない」などの生徒がいたら、もしかしたらヤングケアラーかもしれないということを念頭に置いて、生徒らを見ていくことが、今後大切になります。 1)ヤングケアラープロジェクト https://youngcarerpj.jimdofree.com/ (2025.3.30) |
[4] | 2020/09/07 17:24 |
30歳代 宮崎 養護教諭 |
数少ない私の体験ですが・・・ 家庭環境の複雑な子で特性のある生徒でした。 ストレスから身体症状や気分の落ち込みがあり、 保健室に来ていました。 保健室に来れば、対処し、「いつでも来ていいからね。」という スタンスを取りました。 また、保健室には来なくても、廊下ですれ違う時には声をかける等、 表情や返答を見ていました。 さらに、ストレスが溜まった時の対処法を一緒に考え、自傷にはしらない対処に 変化させようと関わっていきました。 養護教諭が家庭環境に切り込めるか、というのはまだわからないところもあり、 そちらは学級担任に任せることが多いです。 その代わり、身体面や精神面は最大限サポートするという意識をもっています。 家庭環境の問題は複雑で、解決が難しいことが多いですが、 少しでも学校生活で家庭のストレスが薄れ、元気に過ごしてもらえるように サポートしていきたいと考えています。 |
[3] | 2020/08/31 21:56 |
30歳代 東京 養護教諭 |
私の体験から、 ヤングケアラーには、ピアサポートが有効だと思います。 「病気の親を持つ子の会」というのを生徒に紹介したことがあります。 教員がたくさんの言葉で伝えるよりも同じ境遇の子ども同士が 同じような悩みを互いに話し合う事で、共感したり、してもらったり、 した方が解決の手がかりがつかめるようです。 |
[2] | 2020/08/23 08:42 |
30歳代 埼玉 養護教諭 |
1番目の投稿者の方のご意見同様、保健室にいつでも来ていいよ、というメッセージを伝えるのとともに、やはり、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーにもつないでいってあげることが必要かなと思います。私もヤングケアラーの生徒に接した経験がありますが、気丈に振る舞っているように見えて、やはり親の病状にかなり左右されてしまうので、時にショックを受けたり、帰りたくないと言っていました。養護教諭だけでなんとかしようと思わず、校内だけでなく、場合によっては校外の組織とも協力して支援しなくてはならないと思います。 | [1] | 2020/08/22 08:42 |
40歳代 静岡 養護教諭 |
まず、「いつでも保健室にきていいんだよ」と言ってあげるのはどうでしょうか。 生育歴の中で、母親の世話をするのは当たり前で、母親とはそういうものだと思っているのだと思います。本人は他の家庭で育ったことがないので、比べようがないのだと思います。もしかすると、今までに相談したけど、うまく助けてもらえずに、「ほっといてくれよ」と思っているのかもしれません。 いい意味のおせっかいおばさんとして、「こういうのもあるよ」と信頼できるヤングケアラーのサイトのパンフレットを渡すというようなことをしてみてはどうでしょうか? |